サンザシとは? 栄養成分、効果、食べ方など徹底解説!

日本で流行した「フルーツ飴」。そのルーツはサンザシを使った「タンフール(糖葫芦)」という屋台の定番メニューなのをご存じですか? 500円玉くらいの赤い果実が並んで串に刺さっている、あの果実こそが「サンザシ」なのです。華流ドラマ(特に歴史もの)に必ずといっていいほど登場するタンフールは、日常的に愛されている人気の食べ物です。本場中国においてサンザシは、健康維持や美容に欠かせない食材の一つであり、中国のデパ地下には、サンザシの加工品が所せましと並んでいます。

そのサンザシについて詳しく見ていきましょう!

サンザシとは?

サンザシは、ナシやリンゴと同じバラ科に属し、北半球の温帯地域に広く分布しています。
約9000年前の賈湖(ジアフー)遺跡(中国)から、サンザシの種が出土しており、古代より原種が存在し、人類に活用されてきた植物だとういうことがわかりました。

サンザシは交雑しやすいため品種の特定は難しいのですが、大きく分けると「ヨーロッパサンザシ」と「中国原産サンザシ」に分類できます。ヨーロッパサンザシは、棘のある低木種と高く伸びる高木種に分けられ、どちらも小さな赤い果実を付けます。主に薬用(ハーブ)や鑑賞用(生垣・庭木)に利用されてきました。

中国原産のサンザシは、「南サンザシ」と「北サンザシ」の2つに大きく分類できます。南サンザシの果実は小さく、主に薬用に使用されます。一方、北サンザシの果実は大きくて香りがよく、適度な甘さと酸味を持ち合わせているので、食用・薬用ともに最も栽培されている品種となります。

ちなみに日本におけるサンザシは、北海道にのみ原種が2種類自生しています。栽培種が日本に渡来したのは、江戸時代(1734年)で、小石川植物園に植えたとの記録が残っています。
5月頃、赤やピンクの小さな花をつけるのがヨーロッパ種、白い花は中国種です。どちらの花も独特の香り(かなり個性的)を放ち、10月頃赤く実が熟します。

サンザシの栄養・成分

古代より薬用植物として利用されてきたサンザシは、栄養価が豊富な果物です。主な成分はビタミンC、ペクチン(食物繊維)、豊富な抗酸化物質(ファイトケミカル)で、ミネラル類、タンパク質などを含みます。近年注目を浴びているサンザシは、さまざまな研究機関で分析が行われ、データが公表されています。スーパーフルーツといわれるゆえんを紹介します。

※ サンザシの栄養素含有量は、生育条件や果実の成熟度によって異なります。

・ビタミン Cの宝庫

サンザシはビタミン C の優れた供給源です。ビタミンCは免疫力の強化やコラーゲンの生成、美肌など抗酸化作用に重要な役割を果たします。サンザシは特にビタミンCが豊富であり、果実100gあたりに30mg~50mg含まれるとされています。

・食物繊維の王(ペクチン)

サンザシは「食物繊維の王」と呼ばれるくらい食物繊維が豊富に含まれています。消化や排便を助け、腸の健康を維持します。第二の脳といわれる腸を整えることは、リンパ球を増やし免疫力を向上させます。また、脳内ホルモンの分泌を促して精神の安定、ストレスの軽減に関与します。サンザシの果肉 100 gあたり、約 4 gの食物繊維が含まれるとされています。

・断トツの抗酸化物質(ファイトケミカル)

サンザシには、アントシアニン、フラボノイド、ビタミン C などのポリフェノールを含むさまざまな抗酸化物質が豊富に含まれています。他のバラ科果実の中でも、断トツの含有量を誇ります。これらの抗酸化物質は、血管や内臓の細胞を損傷から保護し、酸化ストレスを軽減して病気や老化の元となる活性酸素(フリーラジカル)と闘います。アンチエイジング、疾病の予防に役立つ重要な成分です。

サティス製薬

・豊富なミネラル類

サンザシには、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛など、さまざまな重要なミネラルが含まれています。これらのミネラルは、電解質バランスの維持、心臓のサポート、骨形成やヘモグロビン合成など、生命維持に関わる機能を担うなど、重要な役割を果たします。

上海中医薬大学付属龍華病院

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サンザシの効果 効能

サンザシは中国史最古の辞書『爾雅(エリヤ)』に(紀元前200年頃)すでに記録があり、古くから血流改善、胃腸の改善、免疫機能の調節などに効果があると活用されてきました。近年の研究においても、化学分析により、150種類以上の生理活性分子が特定され、有効な健康効果として、抗菌、抗炎症、抗酸化作用、抗癌作用、抗凝固作用などが挙げられます。

National Library of Medicine

・多種多様な 抗酸化・抗炎症作用

サンザシに含まれる多種多様な抗酸化物質(ファイトケミカル)が、酸化ストレスの軽減や慢性的な炎症の抑制に関与しています。疾病の原因となる体内の活性酸素(フリーラジカル)を減少させ、酸化ストレスを抑えることが、細胞実験および動物実験で確認されており、動脈硬化やその他の慢性疾患リスクの軽減が期待されています。また、抗炎症効果により、サンザシのエキスが、敏感肌・ニキビ・抗炎症・美肌菌・シミ・透明感・保湿肌などの有効であることがわかっています。

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・認知された 心血管系の健康効果

サンザシ含まれるフラボノイドおよびプロアントシアニジンなどのポリフェノールには、血流促進や抗不整脈、脂質低下、低血圧効果があり、これにより心不全、不整脈、高脂血症、高血圧の改善に寄与することが報告されています。特に軽度~中程度の心不全に効果があることが研究により示唆されています。

National Institutes of Health (NIH)

・優れた 疲労回復効果

サンザシにはクエン酸やリンゴ酸などの有機酸が含まれています。疲労物質である乳酸を分解し、疲労回復の効果を発揮します。サンザシ果実100gあたりにクエン酸が500~900mg程度含まれているとされます。また、疲労物質を除去することで、不眠症・不安などを改善し、リラックス効果や鎮静効果についても期待されています。

・消化の促進と胃腸の健康効果

サンザシは、消化を助け、胃を強化し、脂肪を分解し減らす働きがあります。食べ過ぎによる食積や、下痢・腹痛を改善し、胃腸が正常な働きになるよう助けます。サンザシにはタンパク質分解酵素がふくまれ、肉などを消化しやすいように柔らかくする働きがあります。

・血流改善効果

中国では、瘀血、無月経、生理痛、産後の瘀血、高脂血症などに用いられ、血流を促すことでこれらの症状を改善します。また、血流が悪いことによって起こる痛みなどを改善します。

阆中市中医医院

National Institutes of Health (NIH)

サンザシの食べ方

当店おすすめの商品を3つ紹介します。

・フリーズドライ サンザシ(ホール)

~サンザシのシロップ漬け~
フリーズドライなので、そのままサクサク食べられます。とは言え、酸味が強いので、ハチミツや砂糖で加工した方が食べやすいです。
水と砂糖でシロップを作り、フリーズドライのサンザシを入れて、中火で煮込むだけ! 黒糖を少し加えると、コクが増してよりおいしくなります!
好みの甘みを調整できるのがいいですね! 冷蔵庫で1~2か月間 保存できます。

※ 強火又は、長時間煮込むとペクチンが固まって、硬くなるので気をつけて!

~さんざし茶~
カップに2個程いれて熱湯を注ぎ、お好みではちみつを入れてドリンクにするのもいいですよ。空咳が出る時や、風邪をひいた時にもおススメです。

~サンザシ酒~
フリーズドライのサンザシを、ホワイトリカーに漬けることで、簡単にサンザシ酒が作れます。ザラメをお好みでいれると飲みやすくなります。また、陳皮(ミカンの皮)をいれると柑橘の香りがより飲みやすいお酒にしてくれます。

・サンザシパウダー

~ジャム~
 水と砂糖で加熱するだけで、ジャムが作れます。甘さはお好みで。サンザシの成分ペクチン(食物繊維)が、程よくとろみをつけてくれます。

~ソース~
ジャムよりとろみを緩くするだけで、甘酸っぱいソースが作れます。塩コショウしたお肉のソースにピッタリです。
アイスクリームにかけたり、ヨーグルトにいれても美味しいですよ。

~サンザシ塩~
パウダーと塩を混ぜるだけ!天ぷら塩にぜひどうぞ。
塩の他に、ガーリックパウダーや、塩コショウを一緒混ぜると焼肉に最適。
消化にもよく、さっぱりと 味で無限に食べられるかも ?!

~パンづくりに~
パン生地に混ぜても、ジャムを包んでパンを焼いてもいいですね。

~ドリンク~
お湯で溶いて、ハチミツなどを入れたホットドリンクはいかがでしょう?
身体を潤し、風邪の予防に最適です。
夏は冷やして炭酸で割ってもいいですね!
※ 一度に水(お湯)を加えるとダマになるので、少量ずつ加えるのがコツです。

・パンダサンザシ

パンダサンザシは、甘みと酸味のバランスが良く、お子様のおやつにもおススメです。パンダ型のロリポップなので手が汚れず、程よい甘酸っぱさが、勉強や仕事の合間の気分転換に最適です。
また、登山(トレッキング)やスポーツなどの、携帯食におススメ! 休憩時のリフレッシュや疲労回復にお役立ちいただけます。

サンザシの副作用と注意点

何事も「過ぎたるは及ばざる如し」、いくら健康や美容によいものでも適量があります。サンザシは食物繊維が多いので、食べ過ぎるとお腹が緩くなることもあります。胃腸の働きが特に弱い方は、様子をみながら食べましょう。

また、血流改善の働きがあるので胎児の安定に影響がでるかもしれません。妊娠されている方はお控えください。
病院などで処方されたお薬を服用されている方は、医師・薬剤師などにご相談されることをお勧めします。

血圧を下げる効果があるというデータが公表されています。昇圧剤などのお薬を医師から処方されている方は、ご相談ください。

まとめ

九千年前から人類に利用されてきた「サンザシ」。現代においても、様々な機関の研究により、健康効果が非常に期待できるデータが次々と発表されています。特に多様な抗酸化成分や豊富な食物繊維は、現代人の抱えるストレスや免疫力に有効なスーパーフルーツと言えるでしょう。皆様の健康維持や美容にぜひお役立てください。
私たちは、国産サンザシの栽培を地域ぐるみで手掛けながら、サンザシの情報を発信していきます。